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生誕200年といえば・・・ [日常・雑感]

今日は日曜日の振替休日。午前中に所用を済ませて、その足でテアトル梅田へ「ショパン 別れの曲」を観に行ってきました。

 

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言わずと知れた"ピアノの詩人"、フレデリック・フランソワ・ショパンの愛と青春を描いた音楽映画。ショパン生誕200年を記念してリヴァイヴァル上映された1934年制作のドイツ映画。モノクロ、モノラルなのは致し方ないとしても粗いノイズが乗っているのがちょっとツライ。伝記映画と呼ぶには史実とズレているところもありますが、ドキュメンタリーではエンターテイメントとすれば許容範囲かな。演劇的というか、昭和期の少女漫画的というか、よく判らないけどタカラヅカ歌劇的? ショパンをよく知らなくても、「別れの曲」ってナニって向きでも楽しめる作品だと思います。
「別れの曲」とはこの映画が上映されて以降の日本でのみ通用する「練習曲 第3番 ホ長調」に対する通称。

観ようによっては音楽的。

第1楽章・ワルシャワ、蜂起前夜。第1主題はコンスタンツィア・グワトコフスカとの清らかなロマンス。第2主題は革命への助走。
愛しいコンスタンツィアの誕生日。彼女のために作ったのが「練習曲 第3番 ホ長調」。祖国のために暴動に参加したいと思いつつも、コンスタンツィアへの愛も成就したフレデリック。彼の才能を惜しんで国外へ逃がさんと画策する恩師エルスナー教授はコンスタンツィアに、ショパンを去らせよと諭します。歌手として初めてのステージに立ったコンスタンツィアが歌うのはショパンが書いたエチュード。「別れの歌」と呼ばれる由縁。傷心とワルシャワの土を携えてショパンはウィーンへと旅立ちます。

第2楽章・パリ、社交界。第1主題は華やかな社交界のサロン。第2主題はワルシャワ蜂起。第3主題はジョルジュ・サンドとの友情あるいは愛情。後半、コンスタンツィアとのロマンスが変奏されて加わります。
パリ社交界でのデビュー演奏会、その直前にフレデリックは号外でワルシャワ暴動の失敗を知ってしまいます。モーツァルトを弾くはずが我知らず即興的に弾いたのが「練習曲 第12番 ハ短調」。おまけにレビューでは酷評ばかり、絶賛してくれたのはジョルジュ・サンドただ一人。不思議な出会いは友情から愛情へと変わり、ジョルジュの計らいでフレデリックはフランツ・リストと出会い、オルレアン公のサロンで演奏する機会を得て、好評を得ることとなります。高揚感を得るとともにジョルジュへの想いは絶頂へと駆け上り、フレデリックとジョルジュはマジョルカ島への旅を計画します。
一方、エルスナー先生からパリでの成功を知らされて、コンスタンツィアは偽りを覆しフレデリックに本心を告げようとワルシャワからパリへとやってきます。
心をときめかせてフレデリックのアパルトマンで彼の帰りを待ちわびるコンスタンツィア。そこへ飛び込んできたフレデリックはジョルジュとマジョリカ島へ旅立つと告げる。最後にもう一度あのエチュードを弾いてと懇願するコンスタンツィア。「別れの曲」と呼ばれる由縁。

判りやすい構成とともにこの映画にエンターテイメントとしての彩りを増しているのはエルスナー先生の軽妙さ。評論家カルクブレンナーとの掛け合いだったり、いい味出してます。
コンスタンツィア役のハンナ・ヴァーグとジョルジュ・サンド役のシビル・シュミッツも華やぎを添えていますし、そうそう、ワルシャワにはニコロ・パガニーニ、パリ社交界の花形としてはヴィクトル・ユゴー、オノレ・ド・バルザック、アレキサンドル・デュマ、アルフレッド・ド・ミュッセ、イグナツ・プレイエル等々、そうそうたるお歴々が登場して歴史の勉強になるかも!? サロンのシーンのドレス姿はカラーで観たかったかも。やっぱり少女漫画か歌劇的かも。
勿論、きらびやかなのは衣装だけでなく、各シーンでショパンの楽曲が効果的な彩りを添えています。代表的なエチュード、ワルツ、マズルカ、ポロネーズたち。ピアノ独奏だけでなく管弦楽ヴァージョンがあったり、プレイエルのお店で、フレデリック・ショパンとフランツ・リストが背中合わせで2台のピアノ、ポロネーズをアクロバティックに演奏するシーンが面白い。

この映画をNHKかなんかで以前にも観ているのですが、その頃のワタクシことたーぱぱはハードロック少年。ショパンよりヨハン・セバスティアン・バッハ、ピアノの詩人より音楽の父に傾倒していました。ショパンのリリカルさが軟弱に聴こえちゃったんでしょうね。ショパンが紡ぐブーケ、その香りの中に甘い毒気が潜んでいるのを嗅ぎ分けわれなかったんですね。香しい毒は媚薬、ハマってしまうといけないと無意識に拒否していたのかも知れません。

なかなか面白い作品だと思うのですが、DVD化されていないとか。生誕200年記念で出せばいいのにね。しかし、ドイツ語バージョン、ショパンを「フリードリヒ」って呼んでるのはちょっと違和感!?
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