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ココロの杖 [音楽]

冬の名残と春の端緒が行き違うのがまるで一進一退の綱引きのようで、それを眺めるボクはまるで魅入られたように動けないまま、ただ風の音を聴いていた。

ポプラ社小説大賞を狙いたいたーぱぱです(ウソでっせ)。仕事と疲れとストレスが極限まで貯まって、倒れそう。というか、倒れていた。

そんな時救いになるのが家族の優しい言葉。

自宅廊下で倒れ込んでいるワタクシことたーぱぱに向かってママちゃんが、
「パパリン、どうしたん!? 顔色すごォく悪いよ。ゾンビみたい♡」
ジュニア君もその尻馬に乗って、「ゾンビ、ゾンビィ!!!!」

アレッ、優しい言葉は・・・!?

気を取り直して、そんな時ココロを癒してくれるのが音楽。オンガクの森の中にカラダを横たえ清浄なる調べに身を委ねる。

先日NHKの「芸術劇場」で放送されていたのは『アンドラーシュ・シフのベートーヴェン』。現在最高のピアニスト、アンドラーシュ・シフの来日公演からベートーヴェンの最後の3つのピアノ・ソナタが紹介されていました。
当ブログでも度々取り上げるベートーヴェンではあるが、彼が残したピアノ・ソナタは作品番号がついたものだけでも32曲と数えられ、何れも珠玉の名曲揃い。
三大ピアノソナタと呼ばれる、第8番「悲愴」、第14番「月光」、第23番「熱情」等々表題がついた楽曲が有名で人気曲ということになるのでしょうが、「芸術劇場」で演奏された後期三大ピアノソナタもそれに比肩しうる珠玉の名作。
若い頃の瑞々しさ、耳の障害や体調不良を抱えつつ爆発的に名曲を著した壮年期。ハイドンやモーツァルトの影から抜け出して傑作の森へと至るなかで作られたソナタがブリリアンカットのダイアモンドであるならば、50歳前後に書かれた3つのソナタは、円熟味を加えて、磨き上げられた真珠の輝き。

ワタクシことたーぱぱは常々、「音楽は祈り」だと思っているのですが、叙情的で悲痛さまで表現されて、テクニカルで演奏する指には厳しくても、耳には優しい美しさ。

ベートーヴェン先生と言えば、名曲だけでなく数々の名言を残されている(らしい)のですが、おなじみなのは「苦悩を突き抜け、歓喜に至れ」。"苦悩に負けずに、突き抜けることができれば、そこには歓喜が待っている"。
そう、最晩年に書かれたあの「第九」、交響曲第9番ニ短調作品125の「歓喜の歌」。
「第9」の作曲を依頼されてそれと同時期に書かれた3つのソナタは"歓喜"に至るための"祈り"・・・なのかも。

ベートーヴェンがシラーの詞『歓喜に寄す』にいたく感動し、曲をつけようと思い立った最初期から数々の障害を乗り越えて、「熱情」的な願いを昇華させたのが後期の作品なのでしょうか。

東日本を襲った大災害はまだ癒えるどころか被害を拡げているような状況で「負けないで」などと軽々しくは言えないけれど、一日でも早い復興と平安、安息を願い祈ることは出来るはず。

それぞれが森の中に籠ってしまうのはどうかと思うが、各々の祈りの糸を繋いで紡錘いていければいいのだけれど・・・。とりあえずベートーヴェン先生からパワーのお裾分けを頂いてワタクシ自身を奮い立たせなければ。

我慢というペダルを踏んで辛抱というクランクを回して、困難の坂を駆け上った先にある歓喜のゴールを目指すには体力も必要だけど、気力、精神力もアゲアゲでないと、そこまで至れないんですよねェ。

というわけで、先生が残された(らしい)名言のおまけ。

勇気!
 身体がどんなに弱っていようとも、精神で打ち克ってみせよう。

真に、称賛すべき人間の特長とは、逆境に直面した時、強い信念のもと、自分の生き方を貫く事が出来ることだ。


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