リラの花 [日常・雑感]
名残の桜をいぢわるに散らせてしまう穀雨は、同時に彷徊者のボクを孤独な部屋に閉じ込めた。つかの間の隠遁生活の友は、音楽、絵画、文学と物思い。
気付けばボクはセンチメンタルな深みに沈み込んでいた。
せっかくのfiorile(花月)だというのに雨に閉じ込められて、ワタクシことたーぱぱは少しセンチメンタルで内省的徘徊を強いられる。
桜はもうお仕舞いになったとはいえ、色とりどりの春の花が文字通り百花繚乱、野に遊びたいのに遊べない、香しい薫りに親しみたくても雨降りに出かけるのは嫌い。
この時期に咲く花の中でも好みなのはライラック。おフランス語でリラ、和名ではムラサキハシドイ(紫丁香花)。優しい紫色の花弁も美しく、甘い薫りの香しさにも惹かれてしまう。
ヨーロッパ原産のせいか大阪近隣ではあまり目にすることがないのが寂しいところ。
でつかの間の隠遁生活の中でのライラック。
ロシアの作曲家、ピアニスト、指揮者であるセルゲイ・ラフマニノフが遺した「12のロマンス 作品21」から第5曲『リラの花(ライラック)』。声楽曲ではあるが、自身の録音も残るピアノ独奏版がお気に入り。
可憐にして幻想的なのはその花のイメージそのまま。短い楽曲ではあるが、一服の清涼剤のように聴き終えたあとの清々しさも心地いい。
「6つのロマンス 作品38」の『ひなぎく』も、季節こそ合わないかも知れないが、『リラ』同様可憐で可愛いお薦め曲。
ライラックと言えば「ライラック通りのぼうし屋」のイメージです。
こんなに綺麗な花なんですね。
by silvercopen (2011-04-24 10:36)