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午睡の夢 [音楽]

本格的な夏到来。体感的には猛暑、酷暑。いや、猛暑と呼ぶには猛々しすぎるし、酷暑にしても酷過ぎる。おまけに、熱中症に気をつけろとか、TVが暑さをさらに煽りあげている。暑さに疲れた、ポタリングでバテたカラダを休めるにはお昼寝が一番!

で、かの原発事故から省エネ、節電が呼びかけられる中、いかに快適にお昼寝するか!?

寒いくらいにエアコン効かせるわけにもいかない。せめて気持ちだけでも快適に癒したいとなったら、心地いい音楽にココロを浸しながら、となるわけで。

「レクイエム」を聴きながらとなると、ママちゃんから「永眠する気か!?」とツッコミくらう。
古典~前期ロマン派にも夢の中へ誘ってくれそうな作品はあるでしょうが、"音楽の父"が作られた曲で眠るのは恐れ多い、"楽聖"のお作となればなおさらのこと、と言って、ショパンの「子守歌(Berceuse)変ニ長調 Op.57」はそのまンますぎるし、夏の日の午睡向きじゃあない・・・ような気がする。で、きっぱりと印象派。

新しいから軽んじる、ということでは勿論なく、印象主義、象徴主義の音楽は当たりの柔らかさというか、はんなりやんわり、押し付けがましい感情やストーリー性が希薄で、聴きながら夢の中に落ち込んでいくのにちょうどいい・・・ような気がする。
ひんやりとした水に浸された感覚。光と風と水、不定形な現象を音に変えたような。

その代表者はやはり、クロード・ドビュッシーになるのでしょうが、その代表作となると「月の光(ベルガマスク組曲)」とか「交響詩『海』」、「夜想曲」等々。

『月の光』は以前当ブログでも取り上げた(→記事参照)ポール・ヴェルレーヌの詩集「艶なる宴」からの翻案。
月の光の煌めき、風のそよぎ、水の揺らめきが表現された名作ですが、月の光はルナティック、もの狂わしくて、眠っちゃいけない。月光が水面に降り注ぐ時にエクスタシーを感じるわけで。

『夜想曲』もちょっとお昼寝向きじゃないし、『海』もうかうかすると溺れちゃう。

で、『2つのアラベスク・第1番』あたりでしょうか。
調性の不安定感が水に浮かべたボートかなんかでうたた寝しているような、木陰のハンモックに揺られながらの微睡みのような心持ちを誘う。輪郭線のはっきりしない印象派絵画を音にしたような、夏の日中の陽炎めいた"揺れ感"が午睡向き。

『夢』、『夢想』とも訳される『Rêverie L68』もその名のとおり、眠りに誘ってくれそうな曲調。アラベスクよりある意味眠りやすいかもしれません。

「子供の領分」で幼子のように眠れるかと思いきや、『像の子守歌』では踏みつぶされそうでおちおちイビキをかいている場合じゃあない。

どうしてもピアノ曲ばかりになってしまうが、2つの前奏曲集「第1巻 L.117」と「第2巻 L.123」に含まれる幾つかの楽曲もゆらゆらと調性が漂う夢心地。
特にお気に入りは「第1巻 L.117」から『デルフィの舞姫(Danseuses de Delphes)』。古代ギリシャ時代の世界の中心デルポイで神懸かりに舞を舞う巫女を表現しているのでしょうか。ほんの少しだけジャズの風味も入っているし、それでいて神秘的。夢のお告げを得る・・・かもしれません。

あえて真夏に『雪の上の足跡(Des pas sur la neige)』はいかがでしょう。エアコン不要になるかもしれません。まァ、何れも標題音楽じゃないので、タイトルに大きな意味はないのでしょうが・・・。

『亜麻色の髪の乙女(La fille aux cheveux de lin)』が添い寝してくれたらきっといい夢が見れそうですが、それはママちゃんが怖いので止めましょう。

『沈める寺(La cathédrale engloutie)』では竜宮城の乙姫様が添い寝・・・(以下同文)。やや荘厳すぎますしね。

「第2巻」の『霧(Brouillards)』や『枯葉(Feuilles mortes)』は悪夢を呼びそうだし、『月の光が降り注ぐテラス(La terrasse des audiences du clair de lune)』は耳に心地いいけど、またしても狂おしい月の光。

『水の精(Ondine)』、オンディーヌが添い寝してくれたら・・・、それは死に至る眠り。

『カノープ(Canope)』もギリシャ神話からかしらン?

最晩年のソナタ3作も聴くにはいいし、好きではあるが、眠るとなるとちょっと難しいかなァ。

って、曲を選んでいたら眠気が覚めて来たァ!!
おまけに、のんびりと午睡を楽しむには曲選考よりママちゃんやジュニア君に邪魔されない環境を設えないといけないし。

BGM無しでもいいから、ほんの少しでいいから、眠らせて。


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