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"父"はどれほど偉大であるか [音楽]

仕事帰り、ついでがあって心斎橋。さらにそのついでに某楽器屋さんへ。

壊してしまったショルダー・キーボード(→記事参照)に替わるRolandのショルダー・シンセサイザーをついつい見てしまったら、追えども去らぬ煩悩の犬が騒ぎ出す。ワンワン!!!!

ジュニア君とママちゃんが永らく渡英してくれていたので遠慮なく大きな音が出せたのと、暑さにバテて自転車で徘徊することよりも"内省的徘徊"と称して音楽の森に潜んでいることが多くなってしまったせいでしょうか。週末の雨も多かったしね。

Rolandのショルダー・シンセ、予想以上に大きく、思いの外重い、オモイ。それ以前に16諭吉はフトコロへの負担が大き過ぎ。ママちゃんにどれだけスリスリしても、そんな予算は捻出出来ない!! それだけあればMacBook Proやちょっとした自転車が買えてしまうし・・・。

追えども去らぬ煩悩の犬に眼を瞑り、買って来たのが『バッハの音符たち 池辺晋一郎の「新バッハ考」』 。まァ、読書の秋、音楽の秋・・・やしね。

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以前買い求めた『ベートーヴェンの音符たち 池辺晋一郎の「新ベートーヴェン考」』と同シリーズ(→記事参照)。音楽雑誌に連載された池辺晋一郎氏のエッセイを一冊にまとめたもので、刊行されたのは「ベートーヴェン」より「バッハ」が先。6巻を数える同シリーズの1番目。

作曲された環境や経緯にはさほど触れずあくまで楽譜に記された音符たちから考察するこのシリーズは面白い。取り上げているのも、その作曲家の"キモ"が盛り込まれている楽曲の、さらに"キモ"の"キモ"たる部分を取り上げ解説されているので、語り口はあくまで優しいエッセイでありながら、オイシイエキスのピューレみたい解説本。作品ごとに譜例も散りばめられているので、読んで、聴いて、弾いてみて、3回美味しいのも魅力。

ワタクシことたーぱぱにとって、「楽聖」ベートーヴェンが恐れ多くもココロの師匠ならば、「音楽の父」大バッハは勿体なくも余りにも偉大なココロの父親。 その昔、シンガーソングライターキーボーディストだった頃はヨハン・ゼバスティアン・バッハを捩って漢字を当ててペンネームにしていたりもした。

若い頃は、ピアノやエレクトーンを習いながらもクラシックよりポピュラー系、背筋を伸ばして古典音楽よりアタマを振って髪の毛振り乱してハードロック・・・だったのが・・・。

ブリティッシュ・ロック → ハードロック → ディープパープル → ジョン・ロードとポイントが絞り込まれる中、ギターに負けず、かつ邪魔すること無く、それでいてキーボードの存在をアピールするためには、かっこいい"オカズ"、お洒落な"オブリ"を決めなきゃあとなって、それなら和声だけでなく対位法を学ばなければと決し、バロック音楽、分けても大バッハに至ってしまった紆余曲折の(?)音楽遍歴。
ハードロックやアートロックも長い歴史を持つ西洋音楽の礎の上に成り立っている・・・となったら無視は出来ません。とはいえ、未だにスケール練習するよりは髪の毛振り乱してリフ刻んでいる方が気持ちいいかったりするのですが・・・。

で、近年突発性難聴で右耳を壊してしまってからは、大きな音を避けるようにとドクターに言われたこともあって、ハードロックよりクラシック。音圧で言えばそんなに差異はないのでしょうが、印象として耳に優しい・・・かなっと。

話しがだいぶそれちゃいましたな。

古典派を経てロマン派までくればまだ聴き流せても、イメージとしてバロック音楽はより学術的で数学的。他の芸術と同様に音楽もその端緒は宗教と深く結びついて余りにも崇高。ついつい背筋を正してしまう。

ベートーヴェンは情熱の迸りとして作品を創った、ショパンは波瀾の人生を私小説のようにピアノで音を綴った。モーツァルトは溢れ来る天賦の才を披瀝するかのように楽曲を生み出した・・・感じがするが、大バッハはまるで荒行のごとく、あるいは錬金術のごとく多くの楽曲を著した・・・ようで、やはり難しくもありちょっと取っ付きにくい感がなくもない。それでも、「音楽の父」。Jon Lordだけでなく、John Bonhamだって、John Paul Jonesだって、John Lennonだって、Elton Johnだって、Johann Sebastian Bachの息子。

ジョン・ロード師匠を目指すロックキーボーディスト少年もバッハ大師匠に親しまないと、目の前で唸りをあげているギタリスト、ベーシストに、横で汗を飛ばすドラマー君に勝てないぞ、っと。いや、ギタリストだって、ベーシストだって、おいしいオカズをキメるには時に学術的研鑽も必要やぞっと。

同書には大バッハの著名な楽曲が20作以上、分かりやすく取り上げられています。この秋は、読んで、聴いて、奏して、読書の秋、音楽の秋を満喫しましょ。


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